@mastersthesis{oai:niconurs.repo.nii.ac.jp:00000030, author = {那須, 美奈子}, month = {Mar}, note = {序論:学生にとって臨地実習とは認知領域,精神運動領域,情意領域すべての能力を駆使して臨まなければならない学習であり,実際の患者と向き合いその人の病状,心理,社会的な役割を踏まえ援助を行うことは,初学者である学生にとっては難しい行為であると一般的に言われている.実習中,学習が進まず援助をどうしたらよいか戸惑っている学生の姿をしばしば見かける.このようなとき,学生の考えを引き出そうと発問しても,学生からの答えは返ってこないことがある.学生が黙ってしまうと何を考えているのか分からず,指導に困難をきたす.学生が学習を進めるにあたっては,本人の認知や,感情が重要といえるため学生が行動に移る前の,実際感じている認知や感情,行動傾性を知ることは重要である. 研究目的:臨地実習において学習に困難を感じた時の学生と指導困難を感じる教師の認知や感情,行動傾性および学生は教師に,教師は学生に望むことについて明らかにし,学習困難を感じている学生の実習指導の方法について考察する. 方法:質的帰納的研究デザインを用い,内藤の開発したPAC分析の手法で行った.対象となったのは看護専門学校3年生6名,教師2名であった. 結果:1.学生のPersonal Attitude の様相   次の5つの内容にまとめられた. 1)記録に対しての不安と焦りから【記録が書けない焦燥感】,【教師の認める記録を書くことへの不安といら立ち】,【記録が書けない焦燥感】を感じていた. 2)看護援助を考えることが難しく【看護援助を決める自信の無さ】,【患者に良い援助を考える自己肯定】,【目に見えない援助に対する困難感】を感じていた. 3)教師との関係形成に困難を感じていた.【教師に頼りたい期待と隔たり】,【教師に上手く伝えられないことの自己嫌悪】,【評価を下げないために自分で考える】,【自分を認めた指導をしてほしい】,【自分を抑え教師に合わせた対応】,【機嫌に影響される教師への嫌悪】,【教師に助けを求めたい】,【教師に頼りたいが行動を起こせない】と教師に頼りたいニーズを持っているが,行動に起こせない状況であった. 4)患者との関係構築に重点をおいており【患者に受け入れられる援助の模索】,【患者と良い関係を築きたい】という態度を持っていた. 5)年齢が高いことによるプライドがあり,【教師に頼りたいが頼れないアンビバレンス】,【他の学生に頼れない】という態度を持っていた. 2.教師のPersonal Attitude の様相 教師については2つの内容にまとめられた. 1)学生を理解することを重要視しており,【まず学生の考えを知る】,【学生が理解できない時の不安】を表現していた.自分の指導で理解していることを示してほしいというニーズがあった. 2)指導方法については2名の教師で違いがあった.1人は【学生の理解に合わせた指導を行う】,【学習が進まない原因に基づく指導】で学生主体の指導を心がけていた.もう1人は【楽しく実習してほしい】という教師の願いに向かって【期待する成果を得るための試行錯誤】をしていた. 考察 学生は教師に頼りたい,教師は学生の思いを理解したいというニーズを持っていた.しかし,学生は上手く話せない,評価が気になる,プライドなどの内面の感情が働き実際は行動できない状況にあった.学生が表現しないため教師は学生が何を考えているのか分からず,何で困難を感じているのか理解できない状況を示していた.学生が教師に学習困難の状況をありのままに表現でき,学習を効果的に進められるようにするには教師から声をかけたり,学生の努力を認めたり学生のありのままの姿を理解しようという姿勢が重要である.教師自ら学生が答えやすい雰囲気をつくり学生にアプローチすることが肝要と言える., 平成22年度修了 新潟県立看護大学大学院看護学研究科 修士課程 看護の質保証領域 学位授与年月日:平成23年3月18日}, title = {臨地実習で学習に困難を感じた時の学生と指導に困難を感じる教師の態度構造}, year = {2011}, yomi = {ナス, ミナコ} }