@mastersthesis{oai:niconurs.repo.nii.ac.jp:00000031, author = {本間, 祐美子}, month = {Apr}, note = {目的:在宅で生活している高齢パーキンソン病患者の生活機能において,冬季・夏季という気候条件による差異を調査し,積雪地域における高齢パーキンソン病患者の生活支援のあり方について示唆を得ることを目的とした. 方法:在宅療養中の65歳以上のパーキンソン病患者を対象にし、冬季・夏季の2時点で同一の調査票を用いて生活機能の調査を行い、季節差を比較した。患者の属性や診断名については、A保健所に提出された診断書から情報収集を行った。研究のデザインは同一対象群に対して冬季・夏季の2回の調査を行い,比較検討する実態調査研究(比較研究)である. 用語の定義:本研究における生活機能とは,ICFの枠組みを参考にし,患者が,一年を通じて地域社会とのつながりを維持し,自立的に張りのある暮らしを営むことであり,①身体面の不具合と症状(心身機能・身体構造),②日常生活動作(ADL)能力と手段的日常生活動作(IADL)(活動)能力,③社会参加(参加)の相互作用によってかたちづくられるもの,と操作的に定義した. 倫理的配慮:新潟県立看護大学の倫理委員会で承認を受けた後、A保健所長へ研究の主旨を口頭と文書で説明し、機関として研究協力の同意を得た.その後、A保健所を通じて対象者へ①研究協力と②診断書の閲覧・転記について依頼し、①と②ともに同意の得られた者を調査対象者とした。また,研究者から個人情報の匿名性,研究公表時の配慮,データの保護・管理,研究対象者に害・不利益を与えないことへの配慮,研究協力機関への害・不利益を与えないことへの配慮,研究協力への自由意思についての配慮にを対象者に文書で説明し,調査対象者あてに個人情報の保護に関する研究者の誓約書を提出した. 結果:調査対象者は、研究協力の同意ならびに診断書の閲覧の許可が得られた189名とし、夏季,冬季の2回の有効回答者85名(有効回答率45.0%)を分析対象とした。性別は,男性46名(54.1%),女性39名(45.9%)、平均年齢は74.9(SD±6.20)歳で,パーキンソン病の重症度を示すHoehn&Yahrの重症度は,Ⅲ度が33名(38.8%),Ⅳ度が36名(42.4%),Ⅴ度が16名(18.8%)とⅣ度の者が最も多かった.冬季と夏期の季節比較において、「手足の冷えを感じる」と「汗をたくさんかく」の症状に有意な差がみられた。また,Hoehn&Yahrの重症度Ⅲ度の群において「手足の冷えを感じる」「方向転換しにくい」と答えた者は,冬季が夏季に比べ有意に多く,「汗をたくさんかく」は,冬季に比べ夏季が有意に多く、運動器の機能に関する項目については、冬季より夏季の方が有意に機能の向上がみられた.Ⅳ度、Ⅴ度と重症度が上がるにつれ、有意差が見られる項目は減少した。口腔機能に関する項目についは、年齢階級別にみると,70歳から74歳では,冬季より夏季の方が有意に結果であった.また、冬季の平均転倒回数は6.58(SD±30.78)回、最大転倒回数は240回であり,夏季の平均転倒回数は2.51(SD±7.42)回であったが有意差はみられなかった. 考察:生活機能全体に対する季節の影響は,パーキンソン病が軽症の群ほど「汗をたくさんかく」「手足の冷えを感じやすい」といった自律神経症状に季節差がみられ,「方向転換しにくい」といった体の動きにくさに関する自覚症状が夏に有意に減少がみられたことから,冬季は身体機能への支障が出やすい傾向にあることがいえる.Hoehn&Yahrの重症度Ⅲ度の軽症な群において季節差がみられた自覚症状の一つに「方向転換しにくい」があり,冬季にその割合が高かったことから,軽症な患者ほど特に冬場において,歩行時のバランスに着目して支援を行う必要があることがいえる. 結論:高齢パーキンソン病患者の生活機能全体に対する季節の影響は,Hoehn&Yahrの重症度のⅢ度の群が,Ⅳ度,Ⅴ度の群に比べ,「汗をたくさんかく」「手足の冷えを感じやすい」といった自律神経症状に季節差がみられた.また,「方向転換しにくい」といった体の動きにくさに関する自覚症状が冬季に有意に多かったことから,冬季は身体機能への支障が出やすい傾向にあることがいえる., 平成22年度修了 新潟県立看護大学大学院看護学研究科 修士課程 地域生活看護学領域老年看護学 学位授与年月日:平成23年3月18日}, title = {積雪地域に暮らす高齢パーキンソン病患者の生活機能にみられる季節差}, year = {2011}, yomi = {ホンマ, ユミコ} }